はじめに
この漫画「タケル伝説！」はヤマトタケル伝説をもとにしています。
ヤマトタケルは昔々（４世紀ごろ？）のヤマトのひとで、
父王の命令で西や東のヤマトの抵抗勢力を次々うちとった
「ヤマトの」英雄です。
実在の人物ではなく、多くの人々がやったことをまとめて、
一人の英雄を創り出したのだろう、と言われています｡
が、古事記に出てくるこのひと、英雄として理想化された人格の持ち主
ではなく、とっても生々しく人間的なのです！！
パパ王の言葉をわざと聞き違えて、パパの顔を潰した実兄をひねり殺したり
自らの怪力を頼んで、敵を甘く見てひどいめにあったり、
女装して「わ〜かわいこちゃんだ」と油断させて殺す、
「お友達になろうね」と油断させて殺す、とんでもない少年です。
ヤマトタケルはパパ王に忠実なのですが、実兄をひねり殺した乱暴ぶりを
小心で猜疑心の強いパパ王にうとまれて、西征の名目でヤマトを
追い出されてしまいます｡
「そばに置いとくの怖かったんだろうな・・・」（さくらちゃん談）
西征を終えて帰ると東征に追い出され、しかも今度は軍隊も
つけてくれません。
（このとき初めて もしかしてきらわれてる？と気づいたそうです。遅い！）
東征の帰途亡くなってしまうのですが、もし無事に帰っていても
今度は聖杯探求の旅とかに追い出されたでしょう。
父に愛されぬ悲劇性と、
その原因の半分くらいは自分にあるのをとんと気づかぬお気楽さを
兼ね備えたヤマトタケルが大好きで、
さくらちゃんのすすめで漫画にしました！
タケルを見守る叔母ヤマトヒメのような
慈母のまなざしで見守ってください！
安田 靫彦 画伯の「草薙の剣」をまねして描きました