史さまへ


こんばんは。

大変遅くなりましたが、「出雲残照」を読ませて下さってありがとうございました!!
本当に夢のようです!わたしの理想そのものの、イズモタケルとヤマトタケルに会えました!!

ヤマトタケルの人生をこんな風に切り取って見せてもらったのは初めてで、
逐一古事記のエピソードを追うことなく、長編ですが、こんなに短く、ヤマトタケルの全てを
語りつくせるのだと、感動しました。

お許しをいただいたので、プリントアウトさせていただきました!
厚みの関係で、9章までで分けて上下巻にさせていただいてます。表紙は水色ですv


現代人のわたし達が見るのではなく、同時代ですが、遥かに文明の進んだ国
からやって来た張旦を通して見る、二人のタケルという設定、素晴らしいです。

はじめから張旦が好きでしたが、エヒコに柄杓を差し出したところで、ますます
好きになりました。過ちかもしれませんが、とても共感できる過ちです。
イズモタケルにはこっぴどく怒られましたが…!

「私に、何か言うことがあるだろう、張旦?」
というセリフが好きです!どこをとってもイズモタケルはかっこよすぎます!!!
「殺すものは、いずれ殺される」という言葉が耳に残りました。


史さまの書かれるオウスは、わたしの理想そのものです!!
(呼び名がオグナ、ではなくオウス、なところも嬉しかったです!)

幼さと残酷さと、明るく朗らかなところが矛盾なく同居していてもうツボすぎてどうしようかと…!!

7章の最後、女の姿でイズモタケルを欺こうとしていたのを見破られる場面が特に好きです!
あの緊張感、盛り上がりが素晴らしいです!

いきなり自分絵で失礼いたしました…!
イズモタケルの髪型や、獣の皮と貝殻の首飾りについては
どうぞ大目にみてやってください(>_<)
とても画力がついてゆきませんでした…。
やっぱり史さまの作品にはEMI様の絵がピッタリです!


8章で、帰宅するとオウスが待っていた場面の
「おれが、誰だかわかるか」「わかるまいな」
と言うオウスの名乗り方(?)がオウスらしくて好きです!

遊び半分でびっくりするくらい残酷なことをするけれど愛らしく憎めないところが猫のようです。
あの太刀を張旦に作らせるとは…!なんという子でしょうか!!

9章の終わりと10章のはじめで張旦のイズモタケルに見捨てられた感が、
たまらなく切なかったです。
イズモタケルの最期は哀しいに尽きるのですが、なぜかオウスは憎めません。
11章で、もう哀しくて哀しくてガックリきました…(T_T)
もうイズモタケルと会えないんですね…。


12章でオウスが『きゃーっという、娘のような声をあげた。』ところが大好きですvvv
オウスが一番可愛い場面だと思いますvv

ヤマトに帰ってから、オウスが気づかないようにしていた、父に疎まれているという事実に
直面せざるを得なくなる姿が可哀想でした。あんなに悪い子なのに!

15章の柿の実をとる場面と、16章のオウスが張旦を訪ねる場面で、オウスが事実を
受け入れてゆく過程を見守っているようで胸が痛みました。

お粥を「食べるよ、それ」と言うところも好きです。


17章からは涙が止まりませんでした。ヤマトタケルの最期を知っているはずなのに!
もう、気持ちは張旦でした。
ヤマトを発つ前、「その国、見つかったら、教えてくれ。」と言ったときのオウスの気持ちを
考えると…(T_T) 大好きなセリフです。

張旦がクマソの赤い櫛を見つける場面も哀しい中に美しさがあって好きです。

ラストの不思議な明るさ(張旦に行き先ができたからでしょうか)に救われるような、
清々しい気持ちになりました。

とにかく素晴らしいの一言です!!
こんなに素晴らしい物語を書いてくださってありがとうございました!!!


長々と良く分からない文章をすみませんでした!
                                  
                                   2009年3月8日         
                                           あべまき とちみ 
最期に変な漫画ですみません!